コンビニの24時間営業とフランチャイジーの労働者性

2019-04-24

今まで当たり前のように実施されていたコンビニエンスストアの24時間営業ですが、人手不足の深刻化と人件費の上昇に伴い、24時間営業もこのままでよいのか、疑問が呈されています。

報道によれば、今のところ、大手各社の温度差はあるものの、基本は24時間営業を維持する方向を考えているようですが、経産省に対応を求められたことから、4月25日にも本部は「行動計画」を発表する予定となっています。

この問題につきましては、加盟店オーナーの悲惨な状況をメインとする報道が多いように思いますが、なぜ、オーナーが悲惨な状況になるのかといえば、24時間営業を維持するためには夜間働いてくれるスタッフを確保する必要があるものの、それがままならない(人手が足りない)ということが根底にあると考えられます。

確保のために夜間の時給を上げれば、あるいは人員を集められるのかも知れませんが、今度はオーナーの収入が減ることになって、生活資金を十分に確保できなくなってしまいます。それを避けるためには、オーナー自らが夜間の人手不足を補うために働くことになり、オーナー自身やその家族にしわ寄せがいってしまうということになるでしょう。

24時間営業につきましては、そもそもそのようなものは必要ない、という意見もあります。利便性のみを追求することが果たしてよいことなのか、という観点からは傾聴すべき点もありますが、コンビニ事業という観点からすれば、「24時間営業をするのとしないのでは、どちらが儲かるのか」ということにつきるでしょう。

これも、各社の実験結果を待ちたいと思いますが、もし24時間営業を行う方が全体として利益が上がるのであるにもかかわらず、オーナーが苦労するというのであれば、これは本部とオーナーとの間の利益の配分が適切ではないおそれがある、ということになるでしょう。もし、この配分を適切に調整する仕組みがあるのであれば、24時間営業を仮に続けるとしても、問題は少なくなるように思います。

 

では、これはどうやって調整すればよいのでしょうか。

話は変わりますが、3月15日に、中央労働委員会が「オーナーは労働組合法上の労働者には当たらない。」という命令を出しました。内容につきましては、概ね首肯しうるものと個人的には考えておりますが、これも、考えようによっては、本部とオーナーとの利害を調整するための方法の一つであったように思います。

ただ、オーナーを労働組合法上の労働者とするという判断は、まだ確定はしていないようですが、少なくとも中央労働委員会としては取得ない、となりました。

団体交渉ができないとすると、外に方法があるかですが、公正取引委員会は、独禁法の適用を検討するとの報道がありました(コンビニ24時間、見直し拒否で独禁法適用検討 公取委)。これは、オーナーが事業者であるとした場合の調整方法になります。すでに締結した契約の見直しに独禁法の優越的地位の濫用を用いるのは、個人的にはどうなのかとは思いますが、このような運用がなされるようになると、独禁法が調整の仕組みとして機能することになるかも知れません。

 

個人的には、本部が法律で強制されてビジネスモデルを変更せざるを得なくなるというのは、望ましくないと思います。むしろ、長期的に事業を発展させるという観点から、利害を調整する仕組みを自ら取り入れるべきでしょう。

昨日のニュースですが、一部本部はそのような観点から、対応を検討するようです。(加盟店との利益配分見直し=「対応不十分だった」-ミニストップ

是非この流れを継続してもらいたいものです。