川越先生のこと
2011-09-09
本年7月30日、弁護士の川越憲治先生がお亡くなりになりました。
私が弁護士になってはじめてお世話になったのが川越法律事務所で、今回独立するまで長期間にわたり、先生にはご指導いただきました。
今でも、私のもっとも尊敬する弁護士の一人です。
今回ブログを始めるにあたって、まず何を書こうかと考えましたが、やはり川越先生のことを書きたいと思います。
先生は、流通系の法律、特に独占禁止法の第一人者でした。
法律家として卓越した存在であったのみならず、文学、芸術から自然科学に到る幅広い分野について造詣の深い教養人でもありました。
芸術の話をされるときは、生き生きと饒舌でしたが、不思議なことに、先生から直接法律のことを教わったことはほとんどありません。
こちらから色々と質問しても、弁護士に成り立ての頃はともかく、ここ数年は「依頼者のためになるよう、よく考えて下さい」と言われるのがほとんどでした。
そのため、どこにも書いてないような難しい問題であっても自分の頭で考えるしかなく、それがかえって弁護士としての力を付けるのに役立ったと思います。
残念ながら、川越先生はお亡くなりになってしまいましたが、先生の事務所にいなければ専門として携わることのなかったであろう独占禁止法やフランチャイズ契約といった分野について、少しでも先生に近づけるよう努力していきたいと、新事務所の開設にあたって思った次第です。
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