親事業者の遵守事項④~返品

2014-02-07

親事業者は、下請事業者に責任がないのに、下請事業者の給付を受領した後、下請事業者にその給付物を引き取らせてはならないとされています。

これは、「返品」といわれる違反行為です。

この違反行為のポイントは

①「返品」とは何か?

②「下請事業者に責任がある」とはどういうことか?

ですが、条文には明記されていないものの、運用上追加されている条件として、

③「返品」できる条件~受入検査の有無

④「返品」できる期間

も覚えておかなければならないでしょう。

 

①の「返品」ですが、これは、親事業者が一旦受領したものを、下請事業者に返すことです。一旦受け取った後返すので、「受領拒否」とは異なります。また、返して再度受け取らない点が、「やり直し」とも異なることになります。返品も有体物が前提となっているので、役務提供委託には適用されません。

②の下請事業者に責任がある場合ですが、これについては、以下の場合に限り、認められることになります。

ア 下請事業者の給付の内容が3条書面に明記された委託内容と異なる場合(注文違い)

イ 下請事業者の給付に瑕疵のある場合(瑕疵)

受領拒否と異なり、納期遅れを理由とする返品は認められません。

また、返品が認められる前提として、親事業者は、受入検査を行っている必要があります(③)。これを怠ると、いかなる理由があっても、「返品」は認められないことになりますから、注意が必要です。

④については、隠れた瑕疵があった場合の問題ですが、返品できる期間は、原則6か月(かつ、瑕疵に気づいたら速やかに返品する)となります。

もっとも、親事業者が一般消費者に対して、6か月を超える保証期間を定めている場合には、その期間内であって、かつ、最長1年までは返品してもよいことになっています。

この「保証期間」ですが、これについてはユーザーの手に渡ってから壊れたような場合も対象になるのが通常「ユーザー保証期間」といわれているものだと思いますが、もちろん、返品が認められるのは、下請事業者による瑕疵の場合に限られます。また、このような場合、通常は良品と取り替えるなど、「やり直し」で処理されるでしょうから、余り、この返品の例外が認められることはないように思います。